第1章、速度値を捏造して、支払う補償を激減させる
1-9、裏ワザ
前述の内容で、『免罪速度(km/h)は3.6の倍数』である事が分かって頂けたと思います。
その事から、『3.6』と『NGの値』の関係が見えてきます。
以下の内容は計算が楽になるので、頭の片隅に入れておくと便利です!
例えば…
【制限速度30km/hにおける免罪速度ミニ】
制限速度 | 重過失 | ←秒速 | ←○△.5 | ←時速 | 冤罪速度 |
---|---|---|---|---|---|
km/h | km/h | m/s | m/s | km/h | km/h |
30 | 60 | 16.66 | 16.5 | 59.4 | 55.8 |
16.5(m/s)×3.6=59.4(km/h) (←値が重過失の値(60km/h)に近過ぎでNG!)
15.5(m/s)×3.6=55.8(km/h)
≪その1≫ NG値から直接±3.6する
計算した値がNG値だった場合、再計算をしなくてもNGだった時速の値(59.4km/h)から『直接3.6引いた数』を次の候補にすれば良いのです。
(※ 免罪速度か冤罪速度かで-3.6か+3.6かが変化!)
秒速値から1を引いて時速に直す計算は、実は『3.6を引く』事と同じなのです。
( ∵(16.5-1)×3.6=16.5×3.6-3.6 )
どちらの計算方法でも、結果は55.8(km/h)になります。
≪その2≫ 秒速の差分が0.277…(m/s)以下の場合
表の左から3つ目の『←秒速』の値16.66m/s
表の左から4つ目の『←○△.5』の値16.5m/s
2つの値の差分は16.66-16.5=0.16…しかありません。
差分が1/3.6=0.277…(m/s)以下だと、(km/h)に変換した際の『←時速』の値は『重過失』の値と1km/h以上差が開きません。
その結果、『バレバレNG』になります。
『←秒速』-『←○△.5』<0.277…(バレバレNG)
以上の様に、計算する前に『差分でバレバレNGかどうかが分かる』のです。
≪その3≫ 秒速の値が○2.5か○7.5の場合
秒速『←○△.5』の値が○2.5か○7.5の場合は、時速にすると必ず自然数になります。
∵【○2.5】 (10×○+2.5)×3.6=36×〇+9
∵【○7.5】 (10×○+7.5)×3.6=36×〇+27
3.6を4×0.9と考えると、上式の意味がスムーズに理解できるかもしれません。
2.5×4=10、7.5×4=30、と1の位を持たない数なので、これらの値に×0.9すると9や27になります。
10の位の36×○も少数を持たず、必ず自然数になります。
つまり、値が○2.5か○7.5の場合は小数を持たない為、『必ず自然数でNGになる!』…と、実は計算する前に除外できるのです。
(※ ○は、ゼロ又は自然数の任意の値)
まずは「イカサマの速度値(km/h)は、3.6の倍数だ!」と覚え、次に上述の様な数値が持つ意味をもう一歩深く理解しておくと…『全てを計算する前の段階で問題に気付く』事が出来る様になります。
裁判における鑑定では、時間が無く、ケアレスミスを避けるべき状況が常なので、覚えておいて損は無いテクニックです。
ポイントその9: 3.6の倍数が持つ性質を理解する!
1-10、本書の暴露による影響
今回は『免罪(めんざい)速度』について書きましたが、既に『冤罪(えんざい)速度』に関する書籍が出ています。
この2つの計算式は表裏一体です。
実はこれが『隠れていた残り半分の問題』です。
僕の電子書籍を読んで『冤罪速度』を理解した際に、『免罪速度』まで予測できていたら、相当深く速度のイカサマを理解されていると言えます。
では、これらの暴露ネタによって、何が起きるでしょうか?
少し考えてみてください。
…想像できましたか?
それは、『今後は免罪速度や冤罪速度を使わなくなる』可能性が高いと言う事です。
前書に記した値や公式を一生懸命覚えて下さった読者の皆さん…ありがとうございました。
(※ですが、決して無駄ではありません!)
天下のamazonで普通に販売されている電子書籍に『交通事故鑑定人が使う不正のネタバラシ』が載っていては…今後プロの鑑定人は簡単に使えない事でしょう。
『他人の言う事を聞かない人も一定数居る』ので、絶対とは言えませんが…。
前著や本書の暴露は、言い換えると、『がっつりクギを刺して、使えない様にした!』のです。
恐らく今後は、違う方法で不正の速度値をでっち上げてくると思った方が賢明でしょう
彼等も次の手法をすぐに考えてやって来ます。
ただ、どんな手を新たに考えてきても、『純粋に総エネルギーで交通事故を考察して対応』すれば、相手の主張する嘘に振り回される事は無いと言えます。
被害者やそれをサポートする弁護士の皆さんは、僕の電子書籍を読んで「この値だけ見ておけば安心♪」なんて思っていてはダメです。
時代は日々進化しています。
人を騙す手口も、日々進化します。
当然、対策が出てくると考える方が自然です。
値や計算方法は大して重要ではありません。
大切なのは、『都合の良い状況なんて、滅多に起きない』事を理解して、それが物理的に成立するかどうかを常に検証する事なのです。