第1章、速度値を捏造して、支払う補償を激減させる

1-12、【コラム】不正を容認する構造

資本主義では『原価+人件費+諸経費+利益…』などによって価格が決められています。

しかし、保険の場合は逆だと言えます。

先に価格が決まっています。

そして、その辻褄を合わせる為に経済活動を行っている…と考えた方が良いかもしれません。

実際に保険の料金は『非常に優れた数学(統計学)によって前もって算出されている』そうです

しかし…本当にその値が実社会に適合しているかどうか、、、甚だ疑問です。

想像してみてください!

ある損保会社が本年、グレーな対応によって一時的に利益を上げたとしましょう。

すると、次の年も同等かそれ以上の利益目標を半ば強制的に掲げらます。

次の年も、その次の年も、その次も、その次の次も…。

その結果、グレーな対応がエンドレスで続く(年々濃さが増す)体制になるのです。

(前年と同等以上の成績を得る為には、前年以上に黒の濃度を上げる必要が有るのです。)

しかも、どんな手段を使おうが…会社社会では『利益を上げた人間が評価される』仕組みになっています。

残念ながら、『損保は被害者を犠牲にする必要に迫られる構造を最初から組み込んで運営されている』…と言えます。

「それは担当者自身の責任だ!」と言われれば、「確かに…」と納得しそうになります。

しかし、これは単なる企業側の責任逃れです。

被害者から毟り取るほど業務として高く評価する以上、『損保会社が率先して旗を振っている』と考えるべき問題なのです。

もしも会社の利益の為だけを考えて、被害者への補償を際限なくカットし続けたら…どうなるでしょうか?

『保険金が正しく支払われない保険』なんて…損保そのものの存在意義を揺るがしかねない大問題である事を、損保業界は本当に理解しているのでしょうか?

もちろん損保会社も株式会社なので、利益無しで運営はできません。

ですが、最低でも『事故の事実を正しく受け止めて業務を行う事なんて、当然の事だ!』と社会から求められていると言えます。

現状のままで問題はありませんか?

人間は間違える生き物です。

ですが、ミスを発見したらすぐに訂正すれば良いだけの事です。

1つ意地悪な問題を出しましょう!

  1. 【問題】
    昨年、損保業界で起きたミスの中で、『裁判後、補償額が低過ぎた事が発覚して、追加で増額分を支払った事故案件』が何件あったでしょうか?
    (全体の何パーセントでしょうか?)

検索すらかけていないので僕も実際の答えは知りませんが、恐らくゼロかゼロに等しい値だと思います。

『裁判が終わった案件をわざわざ調べて、被害者に追加で金を払うわけないだろ!?』

そんな風に考えるかもしれません。

…本当にその考えで問題無いですか?

残念ながら、『ミスを発見してフォローした件数がない(少ない)』と言う事実は、『損保に自浄作用が無い』事を公言している様なものです。

この裁判後の対応は『盗人に追い銭』には該当しません。

ミスの発生を予見して、正しい補償が行われる様に補佐をする『バックアップ(カバーリング)※』です。

(※野球用語としての『バックアップ(カバーリング)』です。)

補償は多過ぎても間違い、少な過ぎても間違いです。

被害者への補償を安くする事だけを追求する姿勢は、そろそろ改める時期に来ています。

不払い問題の時の様な『行政からの指導』なんて必要無いですよね!?(むしろ自発的にやる方が自由度は高いかと…。)

既にこの問題に気付いている損保関係者も見えるので…一利用者としては『一部を除く損保業界全体の改善が、そう遠くない未来に起きる』事を強く願っています。

ポイントその12: ただし…現状では、被害者自身が身の潔白を証明する必要がある!