第1章、速度値を捏造して、支払う補償を激減させる

1-7、あなたも狙われる『速度の不正』

先に結論を言います。

交通事故後の調査では『エネルギー的に帳尻が合うか?』を必ず調べてください。

実際には遅かった車両を「速かった!」と主張したり、実際には速かった車両を「遅かった!」と主張すると、必ずどこかでエネルギー的な矛盾が発生します。

先に紹介した『免罪速度』の様に、実際には速かった車両を「遅かった!」と主張した場合、事故現場には低速では説明のつかない甚大な破損が残されているはずです。

逆に車両の速度を「早かった!」と主張する場合、事故現場や車両にそれらの痕跡が残っていて然るべきですが…それらを明らかにできない(物証が残っていない)事故も少なくありません。

それらの破損が大きくても、小さくても、1つ1つのエネルギーの大きさを出来るだけ詳細に算出して、その総和が仮定している速度値では説明がつかない事を相手側に突き付けてください。

免罪速度にしても、冤罪速度にしても、『実際の車両の速度』と『嘘の速度』との差が大きくなるほど矛盾も大きくなり、物理的な説明が難しくなる傾向が有ります。

裁判でその様な誤った主張が認められると後々の影響が大きい反面、きちんと確認すれば見落とし難い大きな誤りだと言えます。

必ずチェックするよう心掛けてください。

ポイントその7: 嘘が大きい程、矛盾も大きくなる!

1-8、最終的に『3.6』を理解しろ!

今回説明した『免罪速度』も、電子書籍で説明した『冤罪速度』も、基本的な考え方はどちらも同じです。

『車両の速度はkm/h』で説明し、『物理的な計算はm/s』で行います。

km/hとm/sの切替は、『3.6』という数がカギです。

km/h→m/sの単位変換


同様に、

m/s→km/hの単位変換


となります。

単位の変換では、『時速→秒速』の変換時は3.6で割り(÷)、『秒速→時速』の変換時は3.6をかけ(×)ます。

m/s⇔km/hの単位変換


何度も言いますが、『時速(km/h)の値が3.6の倍数』だと、3.6で割って秒速に変換しても割り切れるので、計算がとても楽になります。

(切り捨て・切り上げ・四捨五入などによる『丸め誤差』が発生しない特殊な数値なのです。)

正しい値ではなく『都合の良い値』を用いている事からも、不正の臭いがプンプンしてきます…。

通常、速度メーターの数値は10km/h刻みです。(電子表示は除きます。)

それ以下の単位については注目しません。

ましてや、速度を小数点まで追いかけて説明している裁判資料は…逆に、その内容の正当性について十二分に検証する必要が有ると言えるのです。

有効数字の観点から『速度値を小数第一位で表記する』場合、○△.5m/s(○と△は任意の自然数)で表される秒速値にすれば、3.6をかけて時速に変換しても、常に小数第一位(又は自然数)になります。

○△.5×3.6=36・〇+3.6・△+1.8

 10×3.6×●=36・〇は常に自然数。

 1×3.6=3.6・△は小数第一位以上の値。(自然数の場合もあり)

 0.5×3.6=1.8は小数第一位の値。

秒速〇△.5m/sは『時速に直しても、絶対に小数第二位以下を持たない便利な数字』なのです。

つまり、冤罪速度にしても免罪速度にしても『時速が3.6の倍数』なので、そもそもその速度値は『架空の値である』可能性が高いのです。

ポイントその8: 速度値(km/h)が3.6の倍数なら、マユツバ120%!